2011/2/18

「宝塚ボーイズ」見学レポート(1)

【~宝塚ボーイズとは?~】

 2011年1月9日(日曜)8:00~14:00 ソフトバンク新書「一流の習慣術」の著者である奥村幸治さんが主宰する中学生の硬式野球チーム「宝塚ボーイズ」を見学することができました。今回はそのレポートをしたいと思います。

 チーム主宰の奥村幸治さんは小柄で、いかにも機敏そうな人です。3時間ほどご一緒しただけですが、人生の修羅場で鍛えられた強い信念と思いやりにみちた指導者だという印象を強く受けました。常に周囲の人への心配りを忘れない言動がすばらしく、ビジネスパーソンのお手本にもぴったりの人です。野球への情熱はもちろんですが、非常に勉強熱心な人です。野球理論、スポーツ科学と、豊富な体験がうまく融合していて、説得力がたいへんありました。子どもたちに接する姿勢もすばらしく、教育家としても一流の人です。イチローのバッティング投手として有名ですし、前述した田中将大を育てたことでも有名ですが、世間で知られている以上にすばらしい指導者だと思います。

 宝塚ボーイズは1999年に奥村幸治さん夫妻が設立。奥村さんの奥様のお話によると、奥村幸治さんと2人で、中学の校門に立ち、ビラまきから始めたとのことです。初年度は9人の子どもたちしか集まらず、連盟の規定により、試合ができなかったので、ひたすら基本練習にとりくみます。その間、一人もやめなかったのは、よほど奥村さんの指導がよかったのだと思います。翌年、部員が増え、試合ができるようになったとたん、全国大会で優勝し、あっと言う間に日本中に名前が響き渡ります。設立3年目に、あまり身体の大きくない、小学校時代は捕手をしていた少年が奥村さんの門をたたきます。奥村さんはその少年が投手に向いていることを見抜き、投手にポジションを変更させます。その少年が中学3年生になったときは、彼の球を打てる打者はいなかったと言われています。やがて、その少年は北海道の高校に進学し、甲子園のマウンドに立ちました。楽天イーグルスのエース、田中将大選手です。 

 宝塚ボーイズの選手たちは高校進学後、ほとんど100%野球部に入り、活躍しています。宝塚ボーイズに入ってやめる子どもがほとんどいないこと、そして大学進学後も野球を続ける選手が多いことが特徴です。

 宝塚ボーイズには入部テストがありますが選手個人の野球能力は問わない方針です。(練習を観ていて、この方針でよくあれだけの選手がそろうと感心しましたが、よそのチームに比べて身体は平均的に大きくないとのことです)入部テストでもっとも重視するのが、保護者との面接です。奥村さんのチーム方針をよく説明し、共感してもらええる保護者であることを条件にしています。もちろん選手自身の意欲や志望も考慮に入れていると思われます。 そのチーム方針の特徴については次回に改めて述べることとしましょう。