2016/3/11 マルクス経済学




  社会人大学院に入学し、修士論文の執筆に追われ、ブログを書くことができませんでした。修士論文のテーマ、は「企業内のキーパーソンを巻き込むための社会的スキル」でした。たくさんのビジネスパーソンにご協力頂き、書き上げることができました。現在は論文を提出し、審査結果を待っているところです。無事、合格しましたら、研究内容を報告します。

 社会人大学院に入学し、50年ぶりに経済学の勉強をしました。私は大学時代、経済学部に在籍していましたので、昔取った杵柄という思いで、講義を聴き始めたのですが、自分が浦島太郎になった思いをしました。私が20歳の時、学んだ経済学はマルクス経済学でした。ところが、今日の経済学には、マルクスのマの字もありません。マルクス経済学こそ最高の経済学だと熱弁をふるっていた教授陣は、一体どんな根拠で、あそこまで自信たっぷりに講義をしていたのだろうか、とショックを受けてしまいました。現在もてはやされている種々の学説の大半も、50年後には見向きもされなくなるのでしょう。どの学説が50年後も輝き続けるかを、この目で見極めることができないのは残念です。その点、100年前に重力波を予言したアインシュタインはすごいと思いました。

 若い人たちには、どの学説も、一定の距離感を保ち、批判的に考察されることをお勧めします。50年前、大学紛争が盛んで、マルクス主義を信じて過激な学生運動に身を投じていった友人たちを思い出します。全員が不幸な結果に終わったわけではなく、社会的に成功した人もいます。しかし、中には、一部の学者や文化人と呼ばれた人たちの言説を信じて、取り返しのつかない事件を引き起こした人もいます。今でも、無責任に若者を扇動した学者や文化人に腹がたちます。

 私の論文は若い人たちを扇動するようなものではありません。その点はご安心頂きたいのですが、50年どころか、カゲロウのような儚い寿命しかない研究ではないかと、心配しています。今回、大学院で勉強をして、しみじみ思ったことは、自分の学問レベルは低いということです。やはり、もっと勉強が必要なのだと思います。このことを知っただけでも、大学院で学んだ甲斐があったと思います。