2014/2/12インドにて(2)





 写真は、ムンバイの海岸の朝の風景です。私たちはムンバイで、トライデントホテルに宿泊しました。トライデントは高級ホテルで、カンヌのようなきれいな海岸通りに面していました。


インドの12月は乾季で、連日晴天ですが、いつも写真にように靄でかすんでいます。新聞によれば、ムンバイやニューデリーは、中国の北京、上海に負けないくらいPM2.5 の濃度が高いのだそうです。しかし、昔観たインドを舞台にした映画でも、靄がかかった風景がよく登場しましたので、もしかしたらこの靄は、ムンバイ特有のものかもしれません。毎朝、海岸通りを散歩しました。たくさんの人が散歩やジョギングを楽しんでいました。それだけを見れば、ワイキキのカラカウア大通りの朝と変わらないのですが、散歩する裕福な人たちをよそに、海岸では、貧しい人たちが野宿をしている姿が見られました。貧富がまじりあって存在し、それに対して誰も、普通の風景として受け入れている感じです。あらゆるものが混在したまま存在するという特徴は、インドのあらゆるところで見られました。貧富、正悪、美醜、貴賎などは、人間がかってに作った区別であって、宇宙のすべてのものは、つきつめれば同じものである、と「唯識論」に書かれています。インド哲学の中心の思想が「唯識論」にあると学んだことがあります。もしかしたら、すべてのものを区別するものは人間の浅い知恵であり、すべてのものをそのまま受け入れるという考えがインドの多くの人々の根底にあるのかもしれません。

 ワイキキの海岸では、圧倒的にジョギングしている人が多かったのですが、ムンバイの海岸ではジョギングよりも、ウォーキングしている人のほうが多かったです。しかも小太りの人が多い。昔、「踊るマハラジャ」(インド映画)の主役の男性が、中年太りのおっさんで、「あれ!?」と思った日本人が多かったと思います。ムンバイの海岸通りでも中年太りのおっさんとおばさんが多いなあと思いました。原因は推察するしかないのですが、いっしょにインド・トリップに参加した人は、インド料理で使われている油の多さを原因の一つとして挙げていて、「なるほど、そうかもしれない」と思いました。私は、インド滞在中はベジタリアン料理を中心に食べていましたが、帰国すると体重が少し増えていました。野菜中心で過ごしても、インドでは、ダイエットにならないことは実感しました。油が多い料理を食べているなら、ウォーキングよりもジョギングのほうがよいのではと思うのですが、街を走っている人は、欧米に比べて少ないという印象を受けました。「なぜ、インドの人々は走る人が少ないのか?」は面白い心理学のテーマになりそうです。