2016/11/30


こころの自立2




 選手たちがこころの自立をするために、まずせねばならないことは、「自分を知ること」です。人間は、自分を取り巻く環境を認識する時、自分のこころを通して認識します。したがって、客観的にものごとを見ているわけでなく、自分の解釈で自分の環境を見ることになります。いわば一種の色眼鏡で周囲の世界を眺めています。もし客観的な世界が存在するとすれば、自分がどんな色眼鏡をかけているかを知り、色眼鏡の色を差し引いた世界を想像しなければなりません。自分を知らない選手は、自分がおかれた状況を正確に理解できませんので、自分がどうすれば、試合で最高のプレーができるのかがわからなくなります。いわば環境の変化に引きずられるだけの存在になり、自分で考え、自主的に行動することができなくなります。

繰り返しになりますが、自立する前提として、私たちが自分の置かれた環境を正しく認識できることであり、そのためには自分を知ることが必要なのです。対話を通して、コーチは選手の鏡となり、選手に自分の本当の姿を知ってもらうことが、コーチングのテーマになります。選手の考えや感情を正確に反射することで、選手自身が気のつかないうちに、自分を知ることができるように、コーチはサポートをします。