2014/10/13 絶対に失敗しない方法






絶対に失敗しない方法というのはあるでしょうか?実は、「絶対に失敗しない方法」という命題そのものが、失敗なのです。論理療法の生みの親、アルバート・エリスは、「この世に絶対はない。故に、『絶対』という言葉が入った考えは、誤りである」と言っています。エリスの考えに沿っていえば、「絶対に失敗しない方法」という考え方自体が間違いなのでしょう。それでも、あえて「絶対に失敗しない方法とはどんな方法か」を、いわば、頭の体操として考えてみましょう。


 成功確率が1%とします。100やってみて、1しか成功しない可能性が高いと解釈したとき、99の失敗をして、その失敗を細かく分析し、記録していき、トライする前に振り返りを繰り返せば、100番目のトライは、絶対ではないにせよ、成功する確率は極めて高いでしょう。
 だから、絶対に成功しようとすれば、失敗をどんどん重ねて、失敗の原因をつきとめ、改善を繰り返していけばよいという、当たり前の結論になります。成功率が0.1%だったら、999回失敗を繰り返せばよいということになります。999回トライすれば、その途中でうまくいくことだって十分ありうるのではないでしょうか?そうなれば999回失敗を繰り返す必要はなさそうです。


 1回成功すれば、成功の原因を明らかにして、その原因をなるものを再現していけば、成功する確率は高くなるでしょう。いずれにせよ、絶対に、ということはなさそうですが、成功率を高めたければ失敗をすることです。
 スポーツでも、ビジネスでも、ハイリスク・ハイリターンの世界です。失敗を恐れていると、ろくなことにはなりません。


 「失敗は許されない」という言葉をしばしば耳にします。非常に高い緊張と不安のなかで、ある仕事をやり遂げるという悲壮な思いを表現しているのですが、メンタル的にはマイナスです。「失敗はしたくない。これまで、あらゆる失敗のやり方を学んできた。そして成功のやり方も学んだ。今は、成功のやり方に集中する時だ。さあ、挑戦だ。」など、自分を挑戦に駆り立てる言葉を、自分自身に語りかけるのが望ましいと思います。問いかけの言葉は、自分で納得できるものが望ましいです。だから自分で、その言葉を考えてください。