2017/9/30

日々の仕事をやり遂げるために、どのような心構えが必要なのか?(1)




 
 最近、アメリカ流のキャリア・マネジメントに疑問を持つようになってきました。私は、エグゼクティブ・コーチングをほぼ毎日しています。コーチングの中で、日本のエグゼクティブのこれまでのキャリアを聴く機会が多いのですが、日系企業のエグゼクティブには、将来経営者になるためのキャリア・プランを作成し、主体的に自分のキャリアを生きてきた人は少ないです。与えられた仕事をコツコツとやり遂げ、実績を積み上げて、エグゼクティブに昇進した人が圧倒的に多いです。それとは対照的に外資系企業に勤務しているエグゼクティブは、アメリカのキャリア・マネジメントの教科書で描かれているような、自分で考え、自分で責任を持ち、少しでも昇進の機会が増えるように計画的に生きてきた人が、全員ではありませんが実際にいます。

 日本の大企業では、将来の経営陣に入りそうなメンバーを集めてリーダーシップ教育が盛んに行われています。私自身もコーチとしていろいろなリーダーシップ研修に参加しています。参加メンバーは、課長から部長クラスに昇進したばかりの30代後半から40代前半のビジネスパーソンが多いですが、彼らの大半が一様に戸惑うのが、「10年後に経営トップになった時の我が社のビジョンを描け」とか、「あなたが目指すリーダー像は何か?」などの課題が与えられた時です。そのような課題に困っている人は内心、日頃の忙しさにかまけて大切なことを考えなかったと、自責の念や後ろめたさを抱いたり、極端な人はそんなダメな自分が次世代リーダーに選抜されたのは何かの間違いだ と思う人までいます。次世代リーダーをコーチングするとき、これまで経営者らしいことなど一つも考えてこなかった、という人がいたら「じっくり考えるような暇が、これまであなたにあったら、あなたは次世代リーダーに選ばれなかったと思います」とコメントを伝えています。

 「下流社会」の著者、三浦展さんにお目にかかった時、「成功した人の多くは、若い時に夢なんか持たず、目の前の仕事を一所懸命やってきた」と言っておられました。三浦さんはきちんとしたデーターを基にものごとを考える人ですので、特別な人たちだけの体験だけではないと思います。私は、日本のリーダーシップ研修をアメリカ 直輸入ではなく、目の前の仕事を精一杯やってきたビジネスパーソンの思いの上に築いてもよいのではないかと思っています。それでは日々の仕事をやり遂げるための心理的な要因は何なのでしょうか?このことについては次回、私なりの考えを書かせていただきます。