2013/6/24ソチで感じたこと(6)
ロシアで興味深かったのは、<横はいり>の横行です。オランダからモスクワ空港を経由してソチに向かった時のことです。モスクワ空港で国内便に乗り換えました。航空券をカウンターで受け取ろうとして、順番待ちの列に並んでいたのですが、一向に順番が回ってきません。理由はどんどん横はいりする人がいるからです。ロシアの人たちはそれに対して抗議することはせず、自分たちも別の窓口へ横はいりしていきます。ぼくはさすがに横はいりする勇気もなく、辛抱強く待っていました。そのうちに、並んでいる人が少なくなり、ようやく順番がきたと思った瞬間、夫婦づれらしいロシア人が、さっと割って入り、何かクレームを航空カウンターの受け付けの人につけだしました。さすがの私も、「列に並んで順番をまつべきだ」と抗議したのですが、男性のほうがにこにこ笑いながら、ロシア語で「悪いね。ごめんね」と言っている感じです。航空会社の人も、ぼくのことはほったらかしで、夫婦に対応しています。ぼくは茫然としていると、横はいりの男性がジェスチュアで、隣の窓口が空いているから、そちらへ行けといっています。順番を守らないことに何の罪悪感を持たないようです。
同じことを北京空港でも経験しました。「横はいりOK文化」はロシアと中国は共通のようです。北京空港では横はいりした中国人が、まったく悪びれる様子もなく、ぼくのほうを振り返り、「どこへ行くのか」と質問をしましたので、「長沙に行く」と答えますと、自分の航空券を受け取った後、カウンターの人にぼくの行先を伝えて、チケット受け取りのサポートをしてくれました。
大阪は電車に乗る時の列を守らないと言われています。大阪出身のぼくには免疫があるのか、2つの経験ともに不愉快ではなく、むしろ興味深かったです。ソチを出発するとき、ソチ国際空港で飛行機が出発するまで2時間くらいありましたので、アメリカのサポートチームのメンバーとコーヒーを飲みながら意見交換をしようということになりました。カフェで、コーヒーを注文しようとカウンターに行くと、そこでもロシア人の横はいりがありました。そのときはスイス出身で、現在はコロラド大学で教えている栄養学の研究者と一緒に並んでいました。彼女は、日本にも2年くらい滞在したことがある人でした。苦笑いをしながら、「私の国でも、日本でも、順番をきちんと守るのに、なぜロシアの人たちは順番を守らないのだろう」と言いました。列にならんで順番を待つという習慣は、スイスにもあるようです。アメリカは日本以上によく守るという印象があります。しかし、大阪には、そのような感覚が希薄で、ロシアや中国のように、すきあらば、先に電車に乗るという性癖があるのはなぜなのでしょうか?大阪人である私にも不思議です。