2019/11/23

どうすれば失敗から学ぶ習慣を身につけられるのか(4)





失敗から学べない時とはどんな時なのだろうか?ここでは、失敗から学べる人が、状況によって失敗から学べない場合を考えてみたい。

まず考えられる状況は、失敗の原因を間違えることである。歴史の事例で言えば、ナポレオンのロシア遠征である。ロシア遠征に対し、卓越した外務大臣のタレーランをはじめ、反対する人がいたにも関わらず、ナポレオンは遠征を強行し、大失敗をした。ナポレオンは敗退し、帰国後も戦争を続けて、最終的に、ワーテルローの敗戦でトドメを刺された。ナポレオンはロシア遠征の敗因を、単なる軍事的なものに求めていたのではないだろうか?ナポレオンはセントヘレナ島で幽閉生活を送っていた時、「自分はジャコバンで行くべきだった」、つまり、皇帝にならず民衆の支持を基盤にした政治体制を築くべきだったという意味のことを言ったと伝えられる。後悔先に立たず、である。皇帝に上り詰めたナポレオンに直言できる人間がいなくなり、ナポレオンに有効なインテリジェンス(真偽を精査した上で、裏付けのある情報)が届かなくなっていたことが、真の原因であった可能性がある。

織田信長も同じ失敗をしている。彼は朝倉討伐に向かった途上で、義理の弟だった浅井長政の裏切りにあい、絶体絶命のピンチに立たされた。信長は長政のプライドを傷つけたことが、長政裏切りの原因の一つとされている。後年、光秀の裏切りにあうのだが、ここでも光秀のプライドを傷つけたことが原因の一つとされている。(学説として、単純な怨恨説をとる歴史学者はいないだろうが)信長に対して、「あなたは人のプライドを傷つけて、無用な恨みを買うことがあるから、気をつけるように」と直言できる側近がいなかったようである。当時、日本を訪れたキリスト教の宣教師の報告にも、信長に直言できる人間がいないことが記されている。

ナポレオンにしても、信長にしても、失敗から学べない人間ではないが、有効なインテリジェンスを収集して報告する機能が働いてない状況があった。失敗から学べる状況の一つは、インテリジェンスをうまく収集できる仕組みがあることだ。